ワインのプロに聞いた!知っておくと楽しめるボジョレー・ヌーヴォーの全て

今年もボジョレー・ヌーヴォーの解禁日が近づいてきました。

バブルの頃は、毎年解禁日になると行列に並んで大騒ぎしていた様子をニュースで見たのをよく覚えています。

最近では、ブームもやや下火かもしれません。

10年間ソムリエをつとめた私からすると、一年に一度しか飲めないこのワインを楽しまないのは、非常にもったいないと思います。

ボジョレー・ヌーヴォーは、その年に取れたボジョレー地区のブドウを楽しめる「唯⼀無⼆のワイン」だからです。

ただ、普通にボジョレー・ヌーヴォーとして売られているワインでも、実は別物だった…なんてこともあるのをご存知でしょうか?

ボジョレー・ヌーヴォーには、意外と知られていないこともたくさんあります。

せっかくなら、どういうワインなのかを知ってから楽しみたくありませんか?

ということで今回は、現場で10年ソムリエをつとめてきた私が、ボジョレー・ヌーヴォーについてご案内いたします。

ボジョレー・ヌーヴォーについて詳しく知れば、より楽しく美味しく飲めると思いますよ!

最終更新日:2018年10月24日
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ソムリエK
執筆者

ソムリエK

元ソムリエ日本一。ソムリエ呼称資格、料飲接遇サービス士(国家資格)を保有。10年以上外資系ホテルに勤め、政治家・経営者・スポーツ選手など多くの著名人に接客。

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1.ボジョレー・ヌーヴォーってどんなワイン?

ヨーロッパでは昔から、豊作の時に感謝の意味も込めて、収穫祭を行っていました。

その中でも、フランス・ボジョレー地区の収穫祭を祝うために作られていたワインが、ボジョレー・ヌーヴォーです。

ボジョレー・ヌーヴォーは、その年に取れた「ガメイ」というブドウから作る「祝い酒」です。

祝い酒なので、座ってゆっくり味わうのではなく、気軽に飲んで祭りを楽しんでいました。醸造期間が数か月と短く、まるで水のようにさっぱりしているのも特徴です。

今でも味わい重視ではなく、パーティーなど雰囲気を楽しみながら飲むほうがいいですね。じっくり味を楽しみたいのであれば、他のワインを選んだほうがいいかもしれません。

こんな風に「ボジョレー・ヌーヴォー」は、他のワインと違い気楽に飲めるワインなのです。

2.ボジョレー・ヌーヴォーは2種類

「ボジョレー」と名前の付くワインは、フランスのボジョレー地区で収穫されたブドウを使ったワインのことを指します。

ボジョレーワインの中で、その年につくられた新酒だけが特別に「ボジョレー・ヌーヴォー」と呼ばれています。

画像:kawatoku.com

そして、ボジョレー・ヌーヴォーには2つの種類があります。

  • ボジョレー・ヌーヴォー
  • ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー

さらに⼀つ上のランクのものは「クリュ・ボジョレー」というのですが、これは後ほどお話しますね。

ちなみに…

ボジョレー:フランスのブルゴーニュ地方の南にあるボジョレー地区のこと
ヌーヴォー:フランス語で「新しい」

という意味があります。

ボジョレーワインそれぞれの特徴

フランスのボジョレー地区で収穫されたブドウを使ったワインは「ボジョレーワイン」と名乗ることができます。

ヌーヴォー

「ボジョレー・ヌーヴォー」は、フルーティーな味わいです。

渋みも少なく、冷やしてごくごく飲めます!

先ほどお伝えしたようにお祭りで飲まれるものなので、格式ばって飲むのは似合いません。

ワイワイガヤガヤ、家族や仲間で楽しく飲むのがおすすめです。

ランクとしては、最も下の格付けになります。

ヴィラージュ

ボジョレー・ヴィラージュには、2つの種類があります。

  • ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー
  • ボジョレー・ヴィラージュ

その年に収穫したガメイを使っているのが「ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」で、収穫してから2~3年熟成させたものが「ボジョレー・ヴィラージュ」です。

ですので、ヴィラージュのうちボジョレー・ヌーヴォーに分類されるのは「ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」のほうになります。

先ほど登場した「ボジョレー・ヌーヴォー」と比べ、「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」は、少し渋く重みがあり、品ある高級な感じがします。

クリュ

「ボジョレー」と名の付くワインの中で、最も質の高いのが「クリュ・ボジョレー」です。

クリュ・ボジョレーは、値段としては3,000円を超すものが多いですが、他の高額なワインと比べると安く買うことができます。

主にワイン専門店で取り扱われています。

フランス語で「新しい」という意味の「ヌーヴォー」と付かないので、ヌーヴォーやクリュのように、新鮮さを楽しむというよりも、一定の熟成期間が必要になるワインになります。

ヌーヴォーとヴィラージュの違いは?

ここまで色々とお話ししましたが、ボジョレー・ヌーヴォーは

  • ボジョレー「ヌーヴォー
  • ボジョレー「ヴィラージュ・ヌーヴォー

の2種類になります。

普段ワインになじみのない人にとっては、ややこしく感じるかもしれません。

ヌーヴォーを買ったつもりが、ヴィラージュ・ヌーヴォーだった、なんてこともあるようです。

でも、「ボジョレー・ヌーヴォー」と「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」は、両方とも手に入れやすく、自宅で飲んだりパーティーなどで楽しむにはもってこいです。

違いをあげるとするならば、

  • ヴィラージュは若干値段が高い(といっても500円ほどの差ですが)
  • やや味が渋く深みを感じられる

という点でしょうか。実際に飲み比べて、その違いを味わってみてほしいです!

3.ボジョレー・ヌーヴォーはコスパで選ぶ

実はボジョレー・ヌーヴォーに、コレといった選び方はありません。

元々お祭り用に作られているので、ボジョレーヌーヴォーは格式ばらずにラフに飲めるというのがポイントです。

味についても、販売している会社ごとに多少の違いはあれど、楽しんで飲むならほとんど気にならない程度の差になります。

ボジョレー・ヌーヴォーは、同じ地域・天候・場所で造られた、ほぼ同じワインです。

ですから、普段ワインを飲まない方がボジョレー・ヌーヴォーを味で選ぶことは難しい…かもしれませんね。

相場としては、

  • ボジョレー・ヌーヴォー:約500~800円前後
  • ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー:約1,000~1,500円

大体が、このあたりになります。

個人的には、2,000円を超えているものは高すぎるし、値段が高いからおいしい、という訳ではないと思います。

普通のワインは大体一本あたり3,000円〜というところが相場ですが、ボジョレーヌーヴォーなら、その半分以下の値段で楽しむことができ、とてもコスパのいいワインです。

「奥深いワインの味を楽しみたい」という人は、別のワインを選ぶことをおすすめします。

ラベルのデザインなどで、気に入ったものを選びましょう!

4.ボジョレー・ヌーヴォーの美味しい飲み方

ボジョレー・ヌーヴォーは「フレッシュさを味わう新酒」です。

通常のワインはブドウを収穫してから、樽に保存して2~3年熟成させます。

この間に、種や皮が発酵して味に深みが増していきます。

ですがボジョレー・ヌーヴォーは、そうした熟成の期間がないので、通常の赤ワインで感じるような渋みや深みを感じにくいのです。

その分だけ、すっきりとした飲みやすいワインとなります。

冷やす温度は10〜12℃

普通の赤ワインは冷やしすぎると渋みが強くなるので、冷やしすぎはあまりよくないと言われています。

フレッシュさが特徴のボジョレー・ヌーヴォーは、冷やして飲むことでさらに美味しくなります。

白ワインのように、冷蔵庫で充分冷やしてから飲むと、さっぱりとして飲みやすくなります。

適温は「10〜12℃」

このあたりで冷やすと、おいしくなると言われています。

ワインは温度によって味が変化するものです。お好みに合わせて温度を変えてみてください。

ただし、コルクを開けてから長時間放っておくと、酸化して本来の味が失われてしまうので要注意です!

ボジョレー・ヌーヴォーは、よく冷やして開封後は早めに飲みましょう。

5.気になる今年の解禁日は?

2018年の解禁日は『11月15日』

解禁日は、毎年決まって「11月の第3木曜日」です。

というわけで、平成最後のボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は『11月15日』です。今からとても楽しみです。

ボジョレー・ヌーヴォーには、「解禁日」がありますが、これは、その日が来るまでボジョレーヌーヴォーを「絶対に売ってはいけない」というルールがあるからです。

解禁よりも前に、質の悪いワインをボジョレー・ヌーヴォーと偽って売られてしまうと、本物のボジョレー・ヌーヴォーが売れなくなってしまいますよね。

そこで、商人の間で解禁日ができた、というわけです。

今年のボジョレー・ヌーヴォーはいかに!?

毎年、ボジョレーワイン委員会からの評価がボジョレーヌーヴォーにはなされています。

ちなみに今年は「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まるらしい…」とのこと。

そうはいってもあまり深く考える必要はないでしょう。ただシンプルに、楽しく飲んでいただければ良いと思います。

ラベルには毎年華やかな工夫が凝らされています。まさに「お祭りで飲むワイン」なのです。

今年は、このようなパッケージのものが発売されるようですよ。

画像:suntory.co.jp

ラベルによって、ボジョレー・ヌーヴォーを飲む時の雰囲気も変わってきます。

お気に入りのものを探してみるのも楽しいと思います!

さいごに

一般的にワインというと、テーブルに向かってゆっくり味わう、というイメージがあるかもしれません。

しかしボジョレー・ヌーヴォーに関しては、そのイメージは忘れてください。

もともとボジョレー・ヌーヴォーは、祝い酒として作られ、座って楽しむというよりも、みんなでワイワイと盛り上がるためのものです。

ボジョレー・ヌーヴォーは渋みもなく、ごくごくと飲めてしまいます。大人数で盛り上がるにはもってこいのお酒です。

年に一度しか飲めない特別なワイン、ボジョレー・ヌーヴォーを楽しんでくださいね!

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