ドイツビールおすすめ!プロの逸品10本
ドイツビールにはたくさんの種類があります。名前も、地名が由来のものから、色が由来のものまで幅広く、どれがどういうビールなのか判断するのも一苦労です。
どうせビールを飲むなら、自分の好みにあった美味しいものを飲みたい!とお考えの方も多いはず。
今回は、そんなドイツビールの世界に少しでも詳しくなるために、ビアライターとして活動する富江弘幸さんにインタビュー。おすすめのドイツビールや、知っておきたい選び方についてお話を伺ってみました。
ドイツビールに興味があるけれど、何がいいのかわからない…という人は、この機会にちょっとだけ勉強してみませんか?
富江弘幸 のプロフィール
日本ビアジャーナリスト協会所属、ビアジャーナリストアカデミー講師。『ビール王国』『日本のクラフトビール図鑑』他さまざまなメディアで執筆を行う。著書『BEER CALENDAR』。WEB『ビールと本と旅とおもしろいこと。』
この専門家の他の記事を見る1.ドイツビールとは?
ビールと言えばドイツ、というイメージがありますよね。それもそのはず、ドイツはまさに「ビール大国」です。
ドイツには、1516年に制定された「ビール純粋令」という法律があります。
これは、現存する世界最古の食品関係の法律で、「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母だけを使って造る」ということが定められています。
このルールを守ってドイツで生産されているのが、ドイツビール、というわけです。
2.ドイツビールの選び方
ビールの味の違いは、本当に好きな人でないと見極められない、そんな風に思っていませんか。
それは、ある意味では正しく、ある意味では正しくありません。というのも、国産の主要メーカーが造るビールは、ピルスナーという一種類のものに限られているから。
銘柄は複数あっても、味わいや見た目に明らかな違いが出にくいのです。
一方ドイツビールは、銘柄はもちろん、味わいの種類も豊富。日本のビールに近いものから、フルーティなもの、重く苦いものなど、じつに様々です。
飲み比べれば、ビールをあまり飲まない人でも、その違いがはっきりわかることでしょう。
ビールには少なくとも100種類以上の味わいがあります。
すべてを覚えるのは大変ですが、メジャーなものだけでも知っておけば、好みのビールを見つけるのは難しくないと思います。
ドイツビールの種類
ビールの種類は、大きくラガーとエールに分けられます。
- ラガー:0~15℃で7~10日ほど発酵させ、30日ほど熟成させて造られます。
酵母が麦汁の底に沈んでいくため、下面発酵とも呼ばれています。 - エール:20~25℃で3~4日ほど発酵させ、14日ほど熟成させて造られます。
酵母が麦汁の表面に浮いてくるため、上面発酵とも呼ばれています。
ラガーもエールも、さらに細かく種類を分けていくことができます。
ドイツビールを選ぶときは、まずラガーとエール、どちらが好みなのか、という所からスタートし、各種類を飲み比べていくことをおすすめします。
以下に主なものをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
ピルスナー
ドイツビールの過半数を占める、ラガービールの代表格です。日本の主要メーカーが造っているのもこの種類です。
色は琥珀色で、スッキリした飲み口が特徴的。苦みもそこまで強くありません。
シュヴァルツ
シュヴァルツは、真っ黒いラガービール。
その名の通り色は黒く、苦みとコクは強め。ただし後は引かないため、塩気の多い食べ物とよく合います。
ミュンヘナー
オクトーバーフェストが開催されることでもお馴染みの、ミュンヘンで造られるラガービールです。
色は濃い目の琥珀色。ほんのりした苦みと麦芽の旨味が特徴的です。
ちなみに、ミュンヘンで行われるオクトーバーフェストの様子はこちらの動画で楽しめます。
ヴァイツェン
バイエルン州で造られる、エールビールの代表格です。
小麦を多く使った伝統的な造り方をしており、色は淡い黄色。バナナのような甘い香りが特徴的で、苦みもほとんどありません。
日本が持つビールのイメージを、いい意味で裏切ってくれるドイツビールです。
ケルシュ
ケルン発祥のエールビールです。色は淡い黄色で、炭酸も弱め。味はフルーティで、爽やかな飲み心地に定評があります。
スイスイと飲めてしまいますが、アルコール度数は4.8%と、日本のビールとあまり変わりません。
IPA
IPAは、インディア・ペール・エールの略です。
インドに輸出するために、アルコール度数を高くしたエールが起源だそう。銅のような明るい色をしており、辛口で苦みも強いのが特徴です。
ビール好きの方には、一度は試してもらいたいドイツビールです。
3.ビアライター富江弘幸さんおすすめのドイツビール10選
さていよいよ、ビールに関する連載や執筆を多数手がけているビアライター、富江弘幸さんおすすめのドイツビールをご紹介していきます。
それぞれの特徴についても、詳しくお話を伺ってみました。
ヴァイセ オリジナル
ヴァイスビールの父と呼ばれる、『ゲオルク・シュナイダー』が、1855年に開いた醸造所で造られているビール。
軽くローストした大麦麦芽を使用することによって、少しブラウンがかった色味になっています。
瓶内の酵母で二次発酵し、スパイシーな口当たりに。世界中の愛好家から愛されているビールです。
富江弘幸さんレビュー

麦芽をしっかりローストしているため、色が濃く、どっしりとした味わい。バナナのような香りがあり、クローブやナツメグのような、スパイシーさも感じられます。
初めてヴァイツェンを飲むという方におすすめです。
シュナイダー ヴァイセ オリジナルの詳細 | |
種類 | ヴァイツェン |
アルコール度数 | 5.4% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 475円(税込) |
ヘフェヴァイス
現存する世界最古の醸造所『ヴァイツェンステファン』のビールです。
特徴は、泡立ちの良さと香り。バナナのような香りと、フルーティーな味わいは、特に女性から人気があります。
数あるヴァイスビールの中でも、評価の高い味わいです。
富江弘幸さんレビュー

バナナのような香りやスパイシーさは、1つ目にご紹介した『シュナイダー ヴァイセ オリジナル』と同じですが、こちらの方がよりすっきりしていて、柔らかさがあります。
ビール自体の色も、こちらの方が薄めですね。
ヴァイエンステファン ヘフェヴァイスの詳細 | |
種類 | ヴァイツェン |
アルコール度数 | 5.4% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 500円(税込) |

ヘフェヴァイツェン
ドイツ・バイエルン州で、400年以上続く醸造所『プランク』のビールです。
一般的なヴァイツェンよりも色が濃いのが特徴で、ソーセージやプレッツェルによく合います。
最高のヴァイツェンをベストの状態で届けられるよう、日本には6度に設定された定温コンテナで輸入されています。
富江弘幸さんレビュー

世界的に権威のあるコンぺ『ワールドビアカップ』で、何度も入賞しているクオリティの高いビールです。
ヴァイツェンの中では色は濃い方ですが、色の割に味に重さはなく、まろやかで飲みやすいのが特徴です。
プランク ヘフェヴァイツェンの詳細 | |
種類 | ヴァイツェン |
アルコール度数 | 5.2% |
内容量 | 500ml |
参考価格 | 864円(税込) |
ピルス
『クロンバッハ ピルス』は、広大な森林と牧草地に囲まれた醸造所で、オーガニック原料を使用して造られているビールです。
ドイツでもとても人気があり、ドイツで消費されるピルスナービールのうち、10杯に1杯は、この『クロンバッハ ピルス』が飲まれていると言われるほど。
ドイツでは、1秒間になんと60杯分(約12L)飲まれているという説もあり、その愛されぶりは確かなようです。
富江弘幸さんレビュー

適度な苦味で、飲んだ後にじわじわと旨味が押し寄せてくるのが特徴です。
日本のビールが好きな方であれば、美味しいと感じると思います。
クロンバッハ ピルスの詳細 | |
種類 | ピルスナー |
アルコール度数 | 4.8% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 405円(税込) |
ピルスナー
ドイツの最北端に位置する、フレンスブルグのピルスナービール。
強いホップの苦みがあり、ドイツでもトップクラスを誇る辛口ビールです。
淡い黄金色で透明度が高く、グラスに注ぐとモコモコと立つキメの細かい泡が特徴的です。
富江弘幸さんレビュー

日本のビールよりも苦味が強いので、しっかり苦味を感じたいという方におすすめ。
ホップにはハーブのようなニュアンスがあるため、食事と合わせれば薬味としての役割も。肉料理などにぴったりです。
フレンスブルガー ピルスナーの詳細 | |
種類 | ピルスナー |
アルコール度数 | 4.8% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 640円(税込) |

7:45エスカレーション
ホップの香りと苦味、麦芽の優しい甘みが、バランスよく感じられるビールです。
「どんなに飲んでも、朝7時45分にはパッと目覚めて仕事に行ってくださいね」というメッセージから、この名前がつけられたそう。
可愛らしいラベルも目を引きますね。
富江弘幸さんレビュー

柑橘系の香りのするホップを使っており、フルーティでありつつ、苦みが強いのが特徴。
アルコール度数は8.3%と少し高めですが、苦味と甘みに加え、酸味もあり、飲みやすい味わいになっています。
クルーリパブリック 7:45エスカレーションの詳細 | |
種類 | WーIPA |
アルコール度数 | 8.3% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 936円(税込) |
※ 2018年10月現在、大手通販サイトなどでは在庫切れとなっています。
シュバルツビア
18世紀頃から親しまれている、ドイツ国内でも人気のある黒ビールです。
ローストした大麦麦芽と良質なホップを使った、まろやかな苦味が特徴的。クリーミーな泡が、さらにビールの味わいを引き立てます。
富江弘幸さんレビュー

黒ビールは取っ付きにくいイメージがある方も多いと思いますが、これはローストの味わいが強すぎないので、黒ビールを飲み慣れていない方も挑戦しやすいのではないでしょうか。
おすすめはデザートと合わせて楽しむこと。バニラアイスやシフォンケーキと合わせると、苦味と甘みのバランスがとても良いです。
ケストリッツァー シュバルツビアの詳細 | |
種類 | シュバルツ |
アルコール度数 | 4.8% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 431円(税込) |

アフミカトア
2011年に創業した家族経営の醸造所で造られているドイツビールです。
イタリア語で燻製という意味のある『アフミカトア』。その名前の通り、燻製香がしっかり感じられ、病みつきになる味わいです。
燻した香りや燻製料理が好きな方はぜひ試してみてください。
富江弘幸さんレビュー

アルコール度数が非常に高いため、ゴクゴク飲むのではなく、ゆっくり味わって飲むビール。日本のビールとは全く違う、どっしり感があります。
燻製料理に使われる食材を使った料理と相性がいいです。
ゲンスタラー アフミカトアの詳細 | |
種類 | シュヴァルツ |
アルコール度数 | 9.6% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 1,008円(税込) |
※ 2018年10月現在、大手通販サイトなどでは在庫切れとなっています。
ケルシュ
透明度の高い柔らかな黄金色と、クリーミーな泡が特徴です。
ドイツ・ハラタウ産のホップとモルト酵母だけを使い、低温で長期熟成させるため、フルーティーで華やかな香りに仕上がります。
ピルスナーよりもまろやかさがあり、女性にも好まれる味わいです。
富江弘幸さんレビュー

日本のビールを飲んだ時に感じる香りとは違う、ほのかにりんごっぽいようなフルーティな香りが特徴。ビールが苦手だという方にも、ぜひ試してみて欲しい味です。
フリュー ケルシュの詳細 | |
種類 | ケルシュ |
アルコール度数 | 5% |
内容量 | 330ml |
参考価格 | 425円(税込) |
オクトーバーフェスト
世界最大のビールの祭典であるオクトーバーフェストの、公式醸造所のひとつ『シュパーテン ミュンヘン』。
オクトーバーフェストは、ミュンヘン市長が『シュパーテン』の樽を開けることで始まります。
日本のラガーとして馴染み深いピルスナーよりも、コクと深みのある味わいが特徴です。
富江弘幸さんレビュー

オクトーバーフェストで飲むビールは、味がしっかりしていて飲みごたえがあるのが特徴。日本のビールより、色も濃く、度数も高めです。
シュパーテン オクトーバーフェストの詳細 | |
種類 | ミュンヘナー |
アルコール度数 | 5.9% |
内容量 | 500ml |
参考価格 | 720円(税込) |