【メンズ】ダウンベストの選び方&おすすめブランド|プロが徹底解説
ダウンベストとダウンジャケット、あなたはどちらを持っていますか?もしくはどちらが欲しいですか?ダウンジャケットは、一枚羽織ってしまえばとても暖かく、冬には手放せなくなるアウターですよね。ただ、実はダウンベストの方が、おしゃれ度の高いアイテムになります。
袖がない分、インナーやパンツに何を合わせるかで、ガラッと雰囲気を変えることができます。これが使いこなせたら、おしゃれ上級者にグッと近づくでしょう。
そこで、この記事ではファッションに関する著書を出版しメディアにも出演している、スタイリストの大山旬さんに、ダウンベストの選び方やおすすめのブランドについてお聞きしました。あなたにピッタリのダウンベスト選びの参考になれば幸いです。
大山 旬(おおやま しゅん) のプロフィール
人気スタイリスト。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」主宰。これまでに著書は5冊出版。累計8万部を突破。読売新聞、朝日新聞、NHK、TBS、テレビ朝日、フジテレビなどメディア出演も多数。
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マットな質感で定番の色を選ぶ
画像:amazon.co.jp
ダウンベストは、マットな質感のもので定番の色を選ぶようにしましょう。
上の写真は『TATRAS(タトラス)』のものになりますが、このようにマットなものを選んでください。光沢があるものだと、 “品” が損なわれてしまうからです。
そして、色は定番の「ネイビー・ブラック・チャコールグレー」がおすすめです。ダウンベストはインナーとの相性がより色濃く出ますから、合わせやすい定番色を選んだ方が、コーディネートしやすくなるでしょう。
ダウンベストの選び方は、基本的にはダウンジャケットと同じです。参考までに「おすすめのダウンジャケット|人気スタイリストによる選び方と着こなし方」も併せてお読みください。
カジュアルとフォーマルのバランスを保つようにする
ダウンベストはとてもカジュアルなアイテムになります。ですから、取り入れる時には他のアイテムとのバランスを取って “きれいめ” に仕上げた方が素敵になります。
大人のファッションには、大きく分けて「カジュアルなアイテム」と「フォーマルなアイテム」があります。この2つを上手にミックスして、カジュアルに寄り過ぎないようにコーディネートしましょう。
もう少し、具体的に解説していきます。
例えば、色々なアイテムをカジュアルかフォーマルかに応じて5段階に分類してみましょう。下の表をご覧ください。点数が低いほどカジュアルなアイテムで、高いほどにフォーマルになります。
点数 | アイテム |
1 | Tシャツ、短パン、ブルージーンズ、スニーカー、サンダル、パーカー |
2 | チノパン、ダウンジャケット、ダウンベスト、半袖シャツ |
3 | ポロシャツ、ローゲージニット(ざっくり編みニット)、ホワイトジーンズ、スエードシューズ |
4 | ハイゲージニット(編み目の細かいニット)、白シャツ、カジュアルな革靴、スラックス |
5 | チェスターコート、レザーシューズ、ジャケット |
コーディネートのバランスを見るときには、こちらの数字を意識してみてください。全身が平均で3点前後になるようにしましょう。高すぎても、低すぎてもダメです。点数が高すぎるとキザな印象になってしまいますし、低すぎれば気のぬけた印象になります。
例えば、下の画像をご覧ください。先ほどの表に合わせて、点数を計算してみましょう。
上から、ジャケット 5点・ハイゲージニット 4点・白シャツ 4点・ブルージーンズ 1点・カジュアルな革靴 4点となります。合計18点で、平均は3.6点です。これが理想的な点数になります。
この「カジュアル」と「フォーマル」のバランスが取れるようになると、一気におしゃれに魅せることができます。全体的なバランスを見る際には、ぜひ、先ほどの表をご活用いただき、点数で計算してみてください。
大山旬さん解説|スタイリング事例
次からは、ダウンベストのおすすめスタイリングを写真を使って詳しくご紹介していきます。2つの事例を用いて、大山旬さんにコーディネートのポイントを解説していただきましょう。
事例① 定番のきれいめスタイル
大山旬さんの解説

中に合わせたニットをカーキにすると、とてもバランスが良くなります。
そして、注目していただきたいのが「グレーのスラックス」です。ダウンベストは、とてもカジュアルなアイテムです。そこへビジネス寄りのスラックスを合わせれば、そのカジュアルさが軽減されて、きれいめなスタイルになります。
さらに、このコーディネートのおしゃれポイントは「パンツの丈」にあります。センタープレスの効いたグレーのパンツは、丈を短めにしてくるぶしが見えるように着ています。そうすると、ビジネスライクにはなりません。カジュアルとフォーマルのバランスが、絶妙です。
この技法は、積極的に取り入れていきたいところですね。
スラックスについては「おすすめスラックス|クールで格好良くカジュアルに決める着こなし術」をご覧ください。
事例② スポーティースタイル
大山旬さんの解説

リブパンとは、足首のあたりがキュッと細くなっていて、リブが付いているボトムスのことを言います。一見すると、「野球部みたい…」とか「ジャージっぽい」「部屋着っぽい」と思われるかもしれません。
でも、色が濃い目でシルエットが細身なものと合わせれば、大人っぽく着こなせますよ。
そして、上半身にはきれいめなアイテムを合わせましょう。シンプルなボタンダウンの白シャツなどで、きれいめなバランスを保つようにしてください。
特に、ダウンとリブパンは両方ともカジュアルなアイテムになりますから、カジュアル寄りになり過ぎないように注意してください。
【メンズ向け】おすすめのダウンベストブランド
それでは、実際に大山旬さんがおすすめする、ダウンベストのブランドをご紹介していきましょう。最後にご紹介する、EDIFICE(エディフィス)は、「中でもこのモデルが良い」というものを一押ししてくださっています。
ぜひ、ダウンベスト選びの参考にしてみてください。

おすすめ
TATRAS(タトラス)
『TATRAS(タトラス)』は、2007年にイタリアのミラノで誕生した比較的まだ新しいブランドです。坂尾正中氏が立ち上げたブランドで、「TATRAS」はポーランドで一番標高が高いタトラ山から付けられています。
日本の有名デパートや百貨店などで店舗展開してその知名度を確立させ、「機能的で上質なアウター」として、一躍人気のブランドとなりました。今ではイタリア国内はもちろん、ヨーロッパ・アメリカ・極東地域へと進出し、グローバル展開しています。
タトラスといえば、3つの十字架が並ぶブランドのロゴマークが特徴的です。この十字架にはそれぞれ「機能的で、洗練された、唯一無二」という意味が込められています。詳しくは、「おすすめのダウンジャケット|人気スタイリストによる選び方と着こなし方」の記事でご紹介していますので、ぜひこちらもお読みください。
大山旬さんレビュー

何よりも、そのシルエットが素敵です。ダウンはモコモコとしているので、どうしても野暮ったい形になってしまいます。でもこちらは、ウエストに多少シェイプが入っているのでスタイルを良く見せてくれます。
価格帯は70,000円前後です。少し背伸びをするような金額かもしれませんが、買ってよかったと思える逸品になると思います。
おすすめ
nano universe × TOKYO NISHIKAWA(ナノユニバース×東京西川)
セレクトショップの『nano universe(ナノユニバース)』が、寝具の東京西川の羽毛を使ってつくり上げたダウンベストです。まるで布団にくるまっているかのように暖かく、まさしく「ふとんから出たくない」の夢を叶えてくれる逸品です。
西川が誇る羽毛のスペシャリストの知恵と技術が詰まっていて、「フレッシュアップ加工」や「サニタイズ加工」という加工が施されています。詳しくは、「おすすめのダウンジャケット|人気スタイリストによる選び方と着こなし方」の記事でご紹介していますので、こちらも併せてお読みください。
大山旬さんレビュー

価格としても手が出しやすく、それでいてシャープなデザインです。大人の男性にはよく似合うと思います。質感も非常に良く、コスパが高いのが良いですね。
ぜひ、着比べて検討してみてください。

おすすめ
T/W ダウンフード ベスト
こちらのダウンベストは、「河田フェザー」の羽毛を使用しています。河田フェザーとは、明治24年に創業して以来、100年以上も羽毛業界を牽引してきた羽毛の専業メーカーです。羽毛を洗う際の水にもこだわり、極限まで付着物を取り除けるように乾燥した気候を追い求めて、工場を移転させてしまうほど、品質へのこだわりを追求しています。
そんな羽毛をふんだんに使っているこちらのブランド『EDIFICE(エディフィス)』は、メンズ専門のセレクトショップです。常に世界のトレンドやニュースを取り入れている「JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)」と同じ会社が運営しています。
ブランドコンセプトも「ライフスタイル全般に興味を持つ高感度な男性顧客層を主な対象」としており、品質の高い商品で、上品なスタイルを提案してくれています。おしゃれに敏感な大人のオトコにこそ、支持されいるブランドです。
こちらのダウンベストの表地には、糸や織り方にもこだわった、スーツで使われる生地が使われています。生地に品があるため、撥水加工がなされていながらエレガントな雰囲気を保っています。
もちろん、シルエットはタイトな仕上がりです。フードは取り外しも可能で、カジュアルからドレッシーまで幅広く楽しめる一着です。
大山旬さんレビュー

お手ごろ価格なので「これからダウンベストにチャレンジしたい」という方にもおすすめです。
丸首のニットや、タートルネックなどと合わせて、エディフィスっぽくワンランク上の男のスタイルを楽しんでみてください。
EDIFICE(エディフィス) T/W ダウンフード ベストの詳細 | |
色 | ブラック、グレーB、ネイビー |
サイズ | S、M、L |
フード | 取り外し可 |
素材 | 表地:ウール50%、ポリエステル50% 裏地:ポリエステル100% |
中綿 | ダウン80%、フェザー20% |
取扱 | 手洗い可能、羽毛製品(水洗い)、天然皮革の部分使用あり |
参考価格 | 23,760円(税込) |
まとめ
いかがでしたか?まだダウンベストをお持ちでない方も、手持ちのベストのマンネリを解消したい方も、ご参考になりましたでしょうか?
ダウンベストは、おしゃれに仕上げるためのファッションアイテムです。インナーやパンツにどんな色や素材のものをもってくるかによって、全体の印象が大きく変わります。カジュアルに寄りすぎてしまうと、野暮ったい印象になりますし、フォーマル過ぎてもキメ込んだ感じになってしまいます。
適度にカジュアルを織り交ぜながら “品” を保つ、きれいめなスタイルで、ダウンベストのコーディネートを楽しんでいただければと思います。