メンズにおすすめのダウンジャケットブランドTOP3!プロが教える選び方&着こなし術

本格的な寒さがやってくると、手放せなくなるのが「ダウンジャケット」ではないでしょうか?「ちょっと近くのコンビニへ」なんて時にも気軽に羽織れますし、ダウンジャケットが1枚あるだけで、とても暖かくなりますよね。

ただし、何でもかんでも羽織れば良いというワケではありません。ダウンジャケットは、チェスターコートやトレンチコートなどに比べ、カジュアル度が高くなります。ですから、素敵に着こなすにはちょっとした “コツ” がいるのです。

そこで、この記事ではファッションに関する著書を出版しメディアにも出演している、スタイリストの大山旬さんに、ダウンジャケットの選び方やおすすめのブランドについてお聞きしました。あなたにピッタリのダウンジャケット選びの参考になれば幸いです。

最終更新日:2021年5月18日
大山 旬

大山 旬(おおやま しゅん) のプロフィール

人気スタイリスト。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」主宰。これまでに著書は5冊出版。累計8万部を突破。読売新聞、朝日新聞、NHK、TBS、テレビ朝日、フジテレビなどメディア出演も多数。

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大山旬さんによるダウンジャケットの選び方と着こなし方

マットな質感で定番の色を選ぶ

画像:uniqlo.com

写真のようなダウンジャケットがおすすめです。こちらは、誰もが知っているユニクロの「シームレスダウンパーカ」です。縫い目がなく、風や水が入ってくるのを防いでくれる特徴があり、機能性も優れていますが、何よりも、色に光沢がなくてマットな質感なところがおすすめのポイントです。

そして、色は「ネイビー・ブラック・チャコールグレー」がおすすめです。シンプルで合わせやすい色の方が、着まわしもしやすいし、長く楽しめます。

この鉄則を守れば、カジュアルなアウターでも品のある「きれいめ」なコーディネートを完成させることができるでしょう。アウターは冒険しない方が、何かと使いやすくなります。

例えば、 “ツヤ” のあるダウンだとどうなるのかを比較してみましょう。こちらは、言葉で語るよりも、実際に見ていただいたほうがわかりやすいと思います。下の画像をご覧ください。 

画像:amazon.co.jp

どのような印象を受けましたか?

先ほどご紹介した、ユニクロのシームレスダウンと比べて光沢があるので、やはり見劣りしてしまうと思います。

このようなダウンは、軽量でコンパクトに折りたためるので、旅行や極寒地でのインナー使いとしてはとても便利なのですが、おしゃれなアウターとしてのコーディネートには不向きでしょう。

ダウンジャケットは、光の反射などがないマットな質感で、色はシンプルなものを揃えてみてください。

タイトなデザインのものを選ぶ

画像:uniqlo.com

ダウンは、モコモコとしていて着膨れしがちです。だから、どうしてもスタイルが悪く、野暮ったく見えてしまいます。

必ずタイトなデザインを選ぶようにしましょう。ダウンジャケットは、とことんコンパクトでサイズが小さいものを選ぶほうが良いです。その方が、すっきりとして全体のバランスが良くなります。

また、インナーはそれほど着込む必要はありません。ダウン自体がとても暖かいので、薄手のニットやシャツで十分です。極力すっきりとしたシルエットを保てるようなインナーを選びましょう。

ボトムスは白のパンツがおすすめ

画像:so-school.tokyo

ダウンを着る際には、全身をカジュアルにまとめすぎないことが大切です。ダウン以外のアイテムは「きれいめ」を意識してコーディネートしましょう。

特に、ボトムスには「白」をもってくると良いでしょう。一番合わせやすいですし、格段に “品” が上がります。もしくは、グレーのセンタープレスが効いたパンツもおすすめです。

ダウンジャケットは、このようなきれいめなスタイルに合わせるからこそ、カジュアルになり過ぎず、おしゃれ感を保つことができます。

大山旬さんがおすすめするダウンジャケットブランド

それでは次に、大山旬さんのおすすめするダウンジャケットブランドをご紹介していきます。

画像:amazon.co.jp
プロの
おすすめ

nano universe × TOKYO NISHIKAWA(ナノユニバース×東京西川)

セレクトショップの『nano universe(ナノユニバース)』が、寝具の東京西川の羽毛を使ってつくり上げたダウンです。まるで布団にくるまっているかのようにあたたかく、まさに「ふっとんだ心地よさ」で、西川が誇る羽毛のスペシャリストの知恵と技術が詰め込まれた逸品です。

西川独自の「フレッシュアップ加工」を施したポーランド産の羽毛を贅沢に使用しているのが、最大の特徴です。この加工は、羽毛本来のチカラを引き出すためのものです。一度洗った羽毛を、さらに選別するために、もう一度洗いの工程が施されています。蒸気を与えて丁寧に乾燥させた羽毛は、大きく大きく開き、限りなく不純物のない上質な羽毛となります。そうすることで、ふっくら感がまったく違う磨き上げられた羽毛だけを集めることができるのです。

また、このキレイな羽毛を長く楽しめるように「サニタイズ加工」という衛生加工もなされています。この加工には、カビやバクテリアなどの発育や悪臭の発生を防ぐ効果があります。高品質で衛生的なダウンを、長く衛生的に着ることができます。

デザインはセレクトショップ「ナノユニバース」の真骨頂が感じられる、洗練されたコレクションとなっています。男の艶っぽさを引き出すシンプルなデザインは、より一層の深みを感じられる1着となるでしょう。

大山旬さんレビュー

大山 旬
ナノユニバースは、30代以上の男性にはあまり縁がないブランドかもしれないです。でも、大人の男性に似合う、シャープな服がたくさんあります。

中でもこちらのダウンは、西川布団の羽毛を使った商品で、非常に質感が良いです。

洗練されたデザインなので、ファッションコンサルティングさせていただくお客様には、ご紹介することが多い一着です。シンプルですが上品なので “大人のオトコ” にこそよく似合いますよ。

ダウンはやっぱり高いので、3~5万円前後の価格帯で、少し背伸びをすれば手が届きやすいところも嬉しいポイントです。高級ダウンも良いのですが、やはり年数が経てばデザインも古く感じるでしょう。ただし、ネイビーかブラックを選べば、長く使えると思います。

ナノユニバースのダウンは、コスパも高い隠れた名品と言えるでしょう。

画像:tatras.it
プロの
おすすめ

TATRAS(タトラス)

『TATRAS(タトラス)』は、2007年にイタリアのミラノで誕生した比較的まだ新しいブランドです。坂尾正中氏が立ち上げたブランドで、「TATRA」とは、ポーランドで一番標高が高いタトラ山から付けられています。

日本の有名デパートや百貨店などで店舗展開してその知名度を確立させ、「機能的で上質なアウター」として、一躍人気のブランドとなりました。今ではイタリア国内はもちろん、ヨーロッパ・アメリカ・極東地域へと進出し、グローバル展開しています。

タトラスといえば、3つの十字架が並ぶブランドのロゴマークが特徴的です。この十字架にはそれぞれ「機能的で、洗練された、唯一無二」という意味が込められています。

「機能的」を実現しているのが、ポーランド産のホワイトグース(ガチョウ)の羽毛です。ポーランドは、ヨーロッパの中でも優れた羽毛産出国で、国家政策として研究開発も行われています。

寒暖差が激しく、広大な農場で育てることができるため、ふわふわとしたタンポポの綿毛のようなダウンが取れるようになります。そんな良質なダウンが90%も使用されており、より軽く、柔らかな逸品に仕上がっています。

「洗練された」デザインにおいては、イタリアのデザインチームはもちろん、様々なクリエーターとのコラボを発表しています。常に進化し続けるそのデザインは、タウンユースを前提としたスタイリッシュでシャープな表情が、ファッション意識の高い人々にも支持されています。

また、「唯一無二」を求め、オリジナルの生地も開発しています。クリエイティブなチャレンジ精神を求める情熱は、これからもストイックに業界を牽引していくことでしょう。

大山旬さんレビュー

大山 旬
「せっかくだから、しっかりしたものを揃えたい」という方には、『TATRAS(タトラス)のダウンジャケットがおすすめです。十字架のロゴがさりげなくアクセントになっていて、生地もシルエットも美しいデザインです。

ダウンジャケットといえば、モンクレール、デュベティカ、ヘルノなどが有名ですが、こちらのタトラスもそれらと肩を並べる存在です。

価格帯も10万円前後になっていて、手を出しやすいのでおすすめです。

ぜひ、色々なダウンジャケットと着比べて検討してみてください。

画像:us.descente.com
プロの
おすすめ
DESANTE(デサント)

水沢ダウン

『水沢ダウン』は、スポーツブランドでおなじみの「DESANTE(デサント)」が手がけています。岩手県奥州市(旧水沢市)にある「水沢工場」で1つ1つ手作りされており、水沢ダウンという名前も、この工場名に由来しています。

ところで、なぜスポーツメーカーがファッションを手がけるようになったのでしょうか?これには、実にドラマチックなストーリーがあります。

もともとは、2010年に開催されたバンクーバー五輪の日本人選手団に提供するため、開発されました。ですので、デザインはもとより「機能性」をとことん追求することから始まっています。そこで注目したのが、ダウンの弱点です。

ダウンには、キルトステッチのミシン目から水が浸入してしまい、羽毛が濡れてしまう…という弱点がありました。寒さが一層厳しくなる雨や雪の時には、あたたかさを十分に保てなくなってしまいます。さらに、ステッチ部分の針穴からダウンが抜け落ちてしまう、という欠点もありました。

そこで、これらを払拭するために採用されたのが「熱圧着」です。熱圧着とは、接着剤などを一切使わずに確実に接合させる技術で、ダウン業界でも今注目されている加工方法です。熱を与えて分子レベルで反応させ、面と面を結合させる手法で、イメージでいえばラミネート加工のようなものになります。この高度な技術によって、「縫い目がないダウン」の製造に成功しました。

そうは言っても、形が複雑になる袖口などには縫製が必要です。その場合には、レインウェアなどによく活用されている「シームテープ」を用いて、とことん水の浸入を防ぐ加工を施しました。

こうして突き詰められた「耐水性・防水性」が、結果として少ないダウンでも高い保温性を実現しました。これにより、軽量で細身のシルエットという「デザイン性」のあるダウンジャケットが誕生したのです。

そして、運命的ともいえるのが「水沢工場」を有していたことです。この頃のデサントは、ウエアの生産を海外にシフトしていたので、水沢ラインは稼動していませんでした。ところが、この水沢工場ではこれまでに、スキーウェアや騎手用ジョッキーベスト、消防の防火服などの、高い技術を必要とする商品を生産していました。だからこそ、ここ水沢にしかないノウハウを、ダウンに活かすことができたのです。

今でも、水沢の職人が1つ1つ手作業で製作しています。羽毛はグラム単位で計測し、手で詰めるという徹底したこだわりようです。人の手と情熱によって、日本が誇るダウンジャケットが作られています。

大山旬さんレビュー

大山 旬
一言で表すならば「かっこ良い」です。もう、この一言に尽きるのではないでしょうか。

シンプルだからこそ試されるデザイン性は、スポーツメーカーとは思えないシルエットです。

表地だけでなく、裏地にもこだわっています。ぜひその着心地を確かめてみてください。おすすめできる逸品ですよ。

まとめ

ダウンジャケットは、値段が高ければ高い方が良い、というものではありません。できるだけシンプルな色で、タイトなデザインのものを選んでください。

そして、せっかく良いジャケットを持っていても、おしゃれに着こなしができていないと、かえってダサくなってしまいます。上品にまとめるコーディネートと合わせてくださいね。

寒い冬は、防寒を優先してしまって、おしゃれには手を抜きがちです。でも、今日ご紹介したことを守っていただければ、あたたかくて素敵なコーディネートになると思います。

何かと外出の機会も多くなりますから、ぜひファッションを楽しんでいただければと思います。

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3,000人以上もの経営者、弁護士、政治家、コンサルタントのファッションコーディネートを担当してきた“服のプロ”、大山旬さん。

大山さんの強みはタレントやモデル向けではなく、会社員、自営業、経営者など一般個人を対象としたファッションコーディネイトを専門としていることです。

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