燻製おすすめ!プロのおすすめ食材&定番食材6選
燻製料理はその独特な風味と保存性の高さが特徴で、お好きな方はご自宅やレジャーシーンで自家製燻製料理を作っています。
今回は、「自宅で燻製料理を作りたい」「バーベキューで燻製にチャレンジしたい」といった方のために、野外料理研究家のベアーズ島田さんから「燻製にすると美味しい食材」をお聴きしました。
その他にも「燻製の種類」や「燻製の作り方」などを解説します。
ベアーズ島田キャンプ のプロフィール
ヒロシ率いるソロキャンプ仲間『焚き火会』の一員。TV番組やCMでも活躍中の野外料理研究家。YouTube『ベアーズ島田キャンプチャンネル』は登録者数1万⼈。キャンプ雑誌『ガルヴィ』WEB『マウンテンシティ』にて連載中。秋ごろにキャンプ料理本を出版予定。所属事務所『有限会社ヒロシ・コーポレーション』
この専門家の他の記事を見る1.燻製とは
木材からでる煙のことを「燻煙」というのですが、その煙を食材にあてていぶしたもののことを「燻製(スモーク)」と称します。
燻製することによるメリットは以下の2つです。
- 保存性が増す
- 強い風味が出る
燻煙の殺菌作用により単純に食材が長持ちしやすいというもメリットですが、多くの方は燻製によって生まれる「風味」を楽しむために手間暇をかけて食材をいぶしている傾向にあります。
燻製食材は、木材の香りによって風味が際立つようになり、独自の味わいが感じられます。
2.燻製の方法
一口に燻製といっても方法は大きく分けて3つあります。一つずつご説明していきます。
熱燻
80度以上の熱によって燻製する方法です。高温で熱するため早く仕上がり、ジューシーな味わいを楽しむことができます。
保存性はやや低い傾向にありますが、バーベキューなどレジャーシーンで作るぶんには最適な方法と言えるでしょう。
温燻
30〜60度程度の熱で燻製する方法です。最も一般的な燻製の方法で、市販されているベーコンなどの食材もこの方法で燻されています。
作るのに1日以上かかるのでやや時間がかかりますが、保存性はそのぶん高くなるでしょう。
冷燻
30度以下の熱で燻製する方法です。保存性が最も高くなり、スモークサーモンなどを作る際に用いられる作り方ですが、燻製時間は1週間以上ととても長いです。
低温に保つのが難しいため、一般家庭向きではありません。
3.燻製の作り方
それでは、個人でもできる燻製の作り方を解説していきますので、参考にしてください。
必要な道具
まずは、燻製作りに必要な道具をご紹介いたします。
燻製器
食材と木材を閉じ込めて、しっかりと燻すための道具です。レンガなどを使った本格的なものから、バーベキューなどでも使え、持ち運びができる小型のものまであります。
まずは、手軽に使えるようなものから試してみましょう。
ベアーズ島田さんのコメント

最近では使い捨ての段ボールの燻製器が売っているので、それでも十分に楽しめると思います。掃除の必要もないので、手軽なのでおすすめですよ。
スモークチップ
燻製するのに必要な「木材」として使用するチップです。様々な種類があり、使うスモークチップによって風味が大きく変わります。
以下の表を参考にしてください。
スモークチップ | 特徴 |
サクラ | 香りが非常に強く、肉類などを燻すのに適しています |
ナラ | 比較的癖のない風味なので初心者の方におすすめです |
ブナ | 欧州ではスタンダードなタイプで、魚などのあっさり目の食材向けです |
ヒッコリー | 綺麗な色が付きやすく、魚などを燻すのに適したタイプです |
くるみ | 癖がなく食材を選ばないのが特徴で、こちらも初心者向けです |
りんご | ほのかに甘い香りが特徴で、白身魚などと相性が良いです。 |
燻製作りの手順
食材を燻製する際の一般的な手順をご紹介します。
塩漬け
食材に塩分を染み込ませて、味付けと殺菌を同時にやります。塩水に浸ける方法と直接すりこむ方法があります。
すぐに食べるなら味が均等につく塩水に浸ける方法、保存目的なら殺菌作用が高いすりこむ方法といったところです。
チーズなど、すでに味が付いているようなものなら、塩漬けの行程は必要ありません。
乾燥
風通しの良い日陰などに食材を置いておいて、水分を抜く作業です。これが不十分だと、酸味が強くなりすぎたり、えぐみが出たりしてしまうのでとても重要な作業と言えるでしょう。
時間は最低でも1時間、できれば半日程度は乾燥させるのがベストです。
燻製
あとは、燻製器に入れて燻すだけです。食材によってベストな燻製時間は変わりますので、以降のおすすめ食材の章を参考にしてください。
以下の動画で方法を詳しく解説しているので、参考にしてください。
4.プロおすすめの食材
まずは、ベアーズ島田さんがおすすめする「燻製にすると美味しい食材」からご紹介していきます。
ししゃも
淡白な味わいなので、燻製の風味は相性抜群です。カリッとした皮とふっくらとした身をお楽しみいただけます。切ったりする必要はなく、燻製時間もそれほどかからないのも嬉しいポイント。
- 燻製時間:20〜30分
ベアーズ島田さんのコメント

私は燻製の中で一番おいしいと思ってるくらいです。燻製はチーズなどが定番ですが、それ以上におすすめな素材ですね。
ウイスキー
一風変わった燻製ですが、ウイスキー好きな方ならおすすめです。燻製によって風味やコク、香りが増すので安価なものでも高級ウイスキーのように感じられるでしょう。
- 燻製時間:20〜30分
ベアーズ島田さんのコメント

ウイスキーをそのまま燻製器にかけるだけなので簡単です。ウイスキーのスモーキーさが倍増したような香りが独特で、好みが分かれるかもしれませんが、私はとても気に入っています。
5.燻製にすると美味しい定番食材
続いては、燻製にすると美味しい定番食材を6つピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。
チーズ
定番中の定番ですが、使うチーズによって様々な風味を楽しめるので、奥が深い食材でもあります。塩漬けする行程を省けるので、初心者がまず試してみる食材としてもおすすめです。
- 燻製時間:30〜40分
豚バラ肉
豚バラ肉を燻製し、簡単に自家製ベーコンを作れてしまうのが嬉しいポイント。レジャーだけでなく、自宅で作るのにもおすすめな食材です。
- 燻製時間:30〜90分
ゆで卵
燻製たまごはスーパーなどで市販されるほどメジャーですが、自分で作ればできたてを口にすることができます。味付け卵を作ってから燻製するのがおすすめ。
- 燻製時間:30〜40分
ミックスナッツ
そのままでも十分にお酒のおつまみとして愛されているミックスナッツですが、燻製にするとより風味が増します。ウイスキー系のお酒を好まれる方におすすめです。
- 燻製時間:30〜40分
ホタテ
もう既に干してあるホタテを購入すれば、そのまま燻製できるので手軽です。淡白な味わいなので、スパイスをきかせたりしてアレンジするのも面白いかもしれません。
- 燻製時間:60分
鮭
濃厚な味わいに燻製の風味がプラスされます。そのまま食べてももちろん美味しいですが、おにぎりやお茶漬けなどとも相性抜群です。
- 燻製時間:10〜15分