プロが選ぶミリタリージャケットのおすすめデザイン!メンズのコーディネートもチェック
軍用に開発された「ミリタリージャケット」ですが、その機能性の高さやシンプルで無骨なデザインが注目され、最近では定番のファッションアイテムとしての地位を獲得しています。
ただ、その存在感の強さから大人っぽい着こなしをするのは少し難しく、選び方を間違えると野暮ったい着こなしになってしまいます。ミリタリージャケットを取り入れつつ、キレイめな雰囲気を作るにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は、ファッションに関する著書を出版しメディアにも出演している人気スタイリストの大山旬さんに、ミリタリージャケットのコーディネートのポイントについてお聞きしました。
大山 旬(おおやま しゅん) のプロフィール
人気スタイリスト。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」主宰。これまでに著書は5冊出版。累計8万部を突破。読売新聞、朝日新聞、NHK、TBS、テレビ朝日、フジテレビなどメディア出演も多数。
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そもそもミリタリージャケットには、開発された国や年代、軍種によってさまざまな種類の型番が存在し、それぞれが異なった特徴を持っています。
最初に、数あるミリタリージャケット中でも人気のある型番と商品例をご紹介します。
MA-1|ボマージャケット
MA-1 JACKET
ミリタリージャケットの中で、もっとも馴染みのある型番がこちらの『MA-1』だと思います。別名「ボマー(=爆撃機)ジャケット」と呼ばれ、その原点は1950年代に登場したフライトジャケットです。
航空機内での操縦中、計器類にジャケットが引っ掛からないようにシンプルなデザインになっています。操縦席に座ったときの邪魔にならないように、着丈は意図的に短く設計されています。裏地にオレンジが多いのは、もともと機内からの緊急脱出時に裏返して着ることで発見率をあげるための工夫でした。
このように、MA-1はパイロット向けに様々な工夫が凝らされたミリタリージャケットとして誕生したのです。
ALPHA INDUSTRIES INC|MA-1 JACKET の詳細 | |
メーカー | ALPHA INDUSTRIES INC(アルファ・インダストリーズ) |
メイン素材 | ナイロン |
メーカー希望小売価格 | 20,304円(税込) |
M-65|フィールドジャケット
M-65 FIELD JACKETS 8238
『M-65』はアメリカ軍の野戦のジャケット(フィールドジャケット)で、1965年に正式採用されたことから名付けられました。1990年代まで、40年以上にわたりアメリカ軍の現役モデルとして着用されていました。戦闘時における夜間や砂漠地帯などの急な冷え込みに対応するために、防寒性が高くなっています。
また、特徴的なのが抜群の収納力です。前面に4つのフラップ(ふた)付きポケットがついています。「M-65」は「MA-1」と並ぶ人気ミリタリージャケットで、様々なブランドからリリースされています。他のミリタリージャケットモデルにも大きな影響を与えていて、日本の自衛隊の防寒戦闘服外衣もその1つです。
以下の動画は映画「ランボー」の中で主人公が着用している「M-65」のイメージです。
ROTHCO M-65 FIELD JACKETS 8238 の詳細 | |
メーカー | ROTHCO(ロスコ) |
メイン素材 | ポリエステル |
メーカー希望小売価格 | 11,500円(税込) |
M-51|モッズコート
M-51 PARKA 5409M
「モッズコート」などの愛称で親しまれている『M-51』は、もともと1951年アメリカ軍で採用された”軍用パーカー”でした。
特徴は「ロング丈・襟にはフード・フラップ(ふた)付き大型ハンドポケット・保温性を高めるためのライナー・フィッシュテール(裾の後ろの、燕尾状の先割れ)」などです。
モッズコートの「モッズ」というのは、かつてロンドン近辺で流行した「モッズカルチャー」を支持する「モッズ族」と呼ばれる若者達が、スクーターに乗る時にスーツを汚さないために着用したことに由来しています。
ラフな見た目に反し、意外と重いモノが多いので、重さの表記を確認するか店頭で試着をして着心地を確認しましょう。
HOUSTON|M-51 PARKA 5409M(モッズコート青島モデル) の詳細 | |
メーカー | HOUSTON(ヒューストン) |
メイン素材 | 綿 |
メーカー希望小売価格 | 18,144円~19,224円(税込) |
N-1|デッキジャケット
N-1 デッキジャケット USED加工 U.S.Nステンシル 17WP04
『N-1』は、1940年代から1950年代にかけて米国海軍の乗組員のために支給されていたジャケットのことで、通称「デッキジャケット」と呼ばれています。冬の海上で使用するのが目的のジャケットなので、防寒性はいうまでもなく最高クラスです。
袖の内側はリブ編みになっており、前面はジッパーとボタンの二重構造になっています。前立てフラップ(ふた)は潮風でジッパーが腐食するのを防ぎ、さらに保温性と遮風性が向上する一石三鳥の機能です。バイクに乗る時のライダースジャケットとしても十分な機能を兼ね備えています。
普段使いなら、ウールやアクリルの裏地がついているものはインナーを薄手のものに工夫すればスマートなミリタリーコーデが楽しめます。
WAIPER|N-1 デッキジャケット USED加工 U.S.Nステンシル 17WP04 の詳細 | |
メーカー | WAIPER(ワイパー) |
メイン素材 | 綿 |
メーカー希望小売価格 | 15,984円(税込) |
L-2B
ジャケット L-2B CM LOGO
1940年代以降、夏用のフライトジャケットが革製からナイロン製にシフトされていき、この頃に採用されたのが「L-2」です。その後、改良を加えられながら最終的には1970年代まで使用される傑作『L-2B』が誕生しました。
デザイン面ではMA-1の影響を受けていますが、中綿はなく肩にはエポレット(肩幅を誇張する効果をもつ肩の装飾)がある点や(エポレットのないものもあります)、薄手である点での違いがあります。ただしナイロン素材を使用しているので風を通しにくく、活躍する時期は多いです。
AVIREX|ジャケット L-2B CM LOGO の詳細 | |
メーカー | AVIREX(アヴィレックス) |
メイン素材 | ナイロン |
メーカー希望小売価格 | 28,944円(税込) |
N-3B
ALPHA N-3B TIGHT ミリタリーアウタージャケット
『N-3B』は、もともとアメリカ空軍が寒冷地用に開発した飛行士用防寒ジャケットです。マイナス10~30度という極寒地での着用が前提とされていて、極寒地仕様フライトジャケットとして約40年間という長きに渡り愛用され、後に地上勤務用のアウターとなった歴史があります。
特徴としては、「ファー付きフード・左腕のポケット・袖口の内側に付けられたリブ・内側に装備されたドローコード」など、防寒に特化したさまざまな機能がついています。
内側にはリブ(伸縮する縦の蛇腹)が取り付けられ、袖口からの風の侵入も防ぐ機能があります。極寒地ではジップだけだと風が浸入するので、物理的な防風のためのボタンが付いた二重構造になっています。
ALPHA INDUSTRIES INC|ALPHA N-3B TIGHT ミリタリーアウタージャケット 20094-201 の詳細 | |
メーカー | ALPHA INDUSTRIES INC(アルファ インダストリーズ) |
メイン素材 | ナイロン |
メーカー希望小売価格 | 26,784円~29,700円(税込) |
ミリタリージャケットのおすすめコーディネート
大人の男性には、襟付きタイプの「M-65」のようなミリタリージャケットがおすすめです。近年は、サイズ感がタイトでキレイめに着こなせるように設計されている傾向にあります。
ただ、ミリタリージャケットの定番色である”カーキ”は、どうしても野暮ったい雰囲気を出しやすい上級者向けカラーともいえます。うまく中和するためには、ボトムスは白デニムを合わせるのが鉄板コーデになります。《カーキ色×白デニム》は、ぜひ覚えていただきたいと思います。
ここから大山旬さんに、おすすめコーディと着こなしポイントを解説していただきます。
程よい着崩し感を出した大人スタイル

ミリタリー

まとめ
いかがだったでしょうか。ミリタリージャケットに、こんなに多くの種類があるなんて驚きですよね。その中でも、大人の男性にはキレイめに着れる襟付きタイプがおすすめになります。
・ボトムスは白デニムが鉄板コーデ
・襟立て&腕まくり
・ボタンは真ん中2つだけ
これらを押さえて、ミリタリージャケットを着こなすことがポイントです。カーキ色は、少し難易度が高くなりますが、クローゼットにアクセントを加えてくれる色でもあります。
あなたのお気に入りのミリタリージャケットを見つけて、カッコよく着こなしてみてください!