スーツに合う革靴(ビジネスシューズ)選びのポイント&メンテナンス法をプロが徹底解説
よく「おしゃれは足元から」と言いますが、スーツスタイルでどんな革靴を合わせるかは、たいへん重要です。
高級な靴を履く必要はありませんが、ビジネスシーンにおいて、使い古したボロボロの靴を履くのは、相手に対して失礼になってしまうこともあるでしょう。
お手入れされた清潔感のある靴をあわせることが大切です。
また、最近ではスーツに合うスニーカーも登場しています!
そこで今回は、スーツに合わせる革靴選びのポイントと、番外編として今後普及していくであろうスーツスニーカーについて、人気スタイリストの大山旬さんにお聞きしました。
みなさんの靴選びの参考にしてください。
大山 旬(おおやま しゅん) のプロフィール
人気スタイリスト。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」主宰。これまでに著書は5冊出版。累計8万部を突破。読売新聞、朝日新聞、NHK、TBS、テレビ朝日、フジテレビなどメディア出演も多数。
この専門家の他の記事を見る1.スーツに合わせる靴選びで知っておきたいこと
まず最初に、スーツに合わせる靴を選ぶときにビジネスマンなら知っておいていただきたいことをお伝えします。
お店で見てほしいポイント2つ
お店で靴を選ぶ際に、気を付けてほしいポイントは2つです。
- 自分の足に合っているか
- 革に不自然な光沢がないか
大山旬さんコメント

靴の見た目では、革に”不自然な光沢”がないか?に気を付けてみてください。量販店などお手頃価格の物にはよくあることですが、これが入っているとコーディネート全体の調和が損なわれてしまいます。
靴は3足をローテーションで履こう!
大山旬さんは、靴の価格や履き方にもポイントがあるとおっしゃっています。詳しく説明していただきましょう。

ビジネスで使う靴は3足ほど揃えてください。「靴にはもっと投資すべきだ」という意見もありますが、10万円の靴を1足買うより3万円の靴を3足買ってローテーションを組む方が大事だと僕は思います。
毎日同じ靴を履き続けるのは避け「1日履いたら2日休ませる」ことで、長持ちさせることができます。
色は、黒か濃い茶色を選ぼう!
靴に限ったことではないですが、ファッションにおける色選びはとても重要です。いくら高いスーツでも、合わせる色がチグハグだと全体的に野暮ったくなることもあります。目にパッと飛び込んでくる「色」の情報は思った以上に強印象を残します。
とはいえ、ビジネスシューズの色の選択肢はとても狭く、使える色には制限があります。基本的には「黒か濃い茶色」を選びましょう。黒は基本中の基本でクラシックな印象を与え、茶色は少しカジュアルな印象が強まります。
また、デザインにもある程度の型があります。

- 黒のストレートチップ
- ブラウンのストレートチップ
- 黒のセミブローグ
- 黒のダブルモンクストラップ
スーツスタイルには、ストレートチップが定番です。これさえ持っていれば、あらゆるビジネスシーンに対応できると考えてOKです。
詳しくは「大人のオシャレは足元から!革靴の種類とシーン別にスタイリストおすすめ商品」をご覧ください。
2.おすすめのビジネスシューズ
ここまでご紹介したスーツに合う靴のルールにのっとって、おすすめのビジネスシューズをご紹介したいと思います。
黒のストレートチップ
011RAL シャープでスタイリッシュなシルエットのストレートチップ
『REAGAL(リーガル)』は1961年に日本に上陸し、半世紀以上に渡ってビジネスマンの間で愛されているブランドです。もっとも基本的なデザインであるストレートチップのシューズは、シンプルなデザインだけに、シャープな靴のシルエットがより引き立ちます。
「仕事では、この靴しか履きません!」という愛用者が続出の秀逸な1足です。
REGAL|011RAL シャープでスタイリッシュなシルエットのストレートチップ の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 23,760円(税込) |
カラー | ブラック・ブラウン |
メイン素材 | 牛革 |
ブラウンのストレートチップ
ストレートチップ
黒のストレートチップの次にチャレンジしてもらいたいのが、濃い茶色のストレートチップです。王道のあるストレートチップを選べば、茶色でもほんの少しだけカジュアルな雰囲気になり、スーツにも馴染みます。
こちらの『Trading Post(トレーディングポスト)』は、1984年創業の老舗メーカーです。やや価格は張るものの、靴の製法の中では最も工程の多いグッドイヤー製法で、手間暇かけて作られた素晴らしい靴がそろっています。
Trading Post|ストレートチップ [CTP1601-001_DARK BROWN] の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 49,680円(税込) |
カラー | ダークブラウン |
メイン素材 | カーフ |
黒のセミブローグ
SEMI BROGUE
ブローグとは、飾り穴が装飾された靴を指します。もともとは農作業で履く靴として、乾きやすさを求めて通気用の穴を空けたのが始まりといわれています。こちらは「セミ」ブローグのため、つま先以外はシンプルに抑えてあり、ドレッシーなコーディネートに合います。
こちらの『JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ)』の靴は、ベストセラーモデルで、ハンドソーンウェルテッド製法をたしなむのに最適な、レザーソール素材を使用しています。
JALAN SRIWIJAYA|SEMI BROGUE 98441 の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 32,400円(税込) |
メイン素材 | 牛革 |
タイプ | セミブローグ |
黒のフルブローグ
CHETWYND
先ほどの「セミ」ブローグがつま先以外はシンプルな作りだったのに対し、全体に飾り穴が施されたデザインの革靴を「フル」ブローグと呼びます。
Church’s(チャーチ)の『CHETWYND(チェットウィンド)』は世界的に有名なモデルで、ビジネスシーンからカジュアルシーンにおいて高い汎用性を発揮します。長く愛用する事で、足にしっくりと馴染み、欠かせない一足となるでしょう。仕上げはオリジナルワックスを職人さんが塗り込んでくれています。時間をかけた丁寧な仕事が、革本来の美しさを引き立てます。
Church’s|CHETWYND の詳細 | |
メーカー小売希望価格 | 89,640円(税込) |
メイン素材 | 牛革 |
タイプ | ウィングチップ |
黒のダブルモンクストラップ

ダブルモンクストラップドレスシューズ
ダブルモンクストラップは、大きめのバックルを2つをあしらった靴のことです。英国伝統のデザインですが、最近はスーツに合わせこるとも一般的になっています。
こちらの『三陽山長|【直営店限定】ダブルモンクストラップドレスシューズ』は、直営店限定・日本国内工場で製造したビジネスシューズです。日本人特有の足の形にフィットする様に設計されています。
職人たちの巧みな技術は以下の動画からご覧になれます。これを見れば、いかに素晴らしい商品か、お分かりいただけるでしょう。
三陽山長|【直営店限定】ダブルモンクストラップドレスシューズ の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 64,800円(税込) |
メイン素材 | 牛革 |
タイプ | ダブルモンク |
3.【番外編】スーツに合うスニーカー
最近はスーツにスニーカーを合わせる、というファッションが少しづつ広まっています。ひと昔前では、考えられなかったスタイルですよね!日本ではまだまだ浸透していませんが、海外では既に人気を集めているようです。
UNITED ARROWS ドレススニーカー
UA ITY ドレススニーカー ダブルモンクストラップ†
大山旬さん注目の商品は、セレクトショップの『UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)』が発売しているオリジナルのドレススニーカーです。イタリア製の同ブランドシューズと同じ工場で生産されています。
踵の形はスニーカーですが、アッパー素材(表面)にシボカーフ(牛革)が使用されているので、大人っぽく仕上がっています。
これはあくまで”スニーカー”になりますが、ビジネスシーンでも概ね着用が認められいるモンクストラップ型なので、スーツやセットアップなどの足元と相性が良い1足です。オンでもオフでも履けそうですよね。
大山旬さんコメント

UNITED ARROWS|UA ITY ドレススニーカー ダブルモンクストラップ†の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 22,680円(税込) |
4.履いた後はメンテナンス!
せっかく良い靴を買ったら、大切にしてなるべく長く履きたいものですよね。ここでは、革靴のメンテナンス法について紹介します。
大山旬さんコメント

①お手入れ前のブラッシング
まずはブラシで靴全体についたホコリを落とします。大きく優しくするように心がけましょう。
ブラシを全体にかけた後は細かい部分を丹念にブラッシングします。この部分にホコリや汚れが残ってしまっているとせっかくのお手入れが台無しになってしまうので、隅々まで丁寧にしてくださいね。
人気のブラシ【コロニル 馬毛ブラシ】
馬毛ブラシ
こちらは、弾力性に富んだ馬毛を豊富に使用したブラシです。皮革製品全般の汚れ落としや仕上げ等、幅広く使用できます。
ドイツ原産で、欧州をはじめとする世界100カ国で愛用されています。皮革に優しい・人体に優しい・環境に優しいをコンセプトに作られているので、機能性や品質の高さだけでなく環境に配慮した商品作りにおいても世界中で大変高い評価を受けています。
Collonil(コロニル)馬毛ブラシ の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 1,620円(税込) |
カラー | ブラック・ブラウン・ホワイト |
サイズ | 17cmx5.4cmx4.5cm |
②クリーナーを使って汚れを落とす
3回に1回は、クリーナーを使ってお手入れしましょう。靴にクリームを塗る前に、以前に塗ったクリームを落としてあげることがキレイに靴を磨きあげるコツになります。
女性がメイクをクレンジングで落とすように、指に布を巻いて皮革用クリーナーで靴の汚れを落とします。小さな面積ごとに円を描くように丁寧に落とします。
部分的な汚れを落としたら、靴全体にクリーナーを伸ばしていきます。1ヵ所に偏らないように、素早く動かすのがポイントです。
③靴クリームで磨く
乳化性の靴クリームを塗ります。布を指に巻きつけ、少量ずつ数回に分けて塗布します。
大山旬さんおすすめの靴クリーム【モウブレイ デリケートクリーム】
おすすめ
デリケートクリーム
こちらは欧州生まれのゼリー状の皮革製品用栄養クリームになります。皮革製品にしっかりと浸透し、潤いと柔軟性を保ちます。ベタ付かず自然な仕上がりは、素材の持ち味を引き出しソフトレザーに最適です。クリームが浸透すると、ひび割れから皮革製品を守り長持ちさせることができます。
このクリームは、油と蝋の配合が少なめで水分が主体のクリームになるので、マットに仕上げたいときは最適です。靴によっては、つやが消えたり色落ち・シミになる特殊な革もあるので、必ず目立たない部分でテストしてからご使用してください。無色ですので、どんな色の靴にもご使用いただけます。
M.MOWBRAY デリケートクリーム の詳細 | |
容量 | 60ml |
メーカー希望小売価格 | 1,080円(税込) |
④仕上げのブラッシング
クリームを塗り終えたら、全体に靴クリームを馴染ませるためにブラッシングをします。塗りムラがないように、均一に素早くかけるのがポイントです。
ブラッシングだけでもツヤは出ますが、さらに布やグローブシャイン等で磨くとキメが増します。布で磨く場合、厚めに巻指の背を使って軽めに磨きます。
人気のブラシ【モウブレイ ブラシ】
ブラシ プロブラシ
靴にクリームを伸ばしたり馴染ませたりするには、硬くて強い毛が最適です。クリームを馴染ませ、伸ばすことにより光沢も出ます。コシがある化繊毛は長く使えてしっかりと光沢感を与えます。
このブラシは、しっかりした少し硬めの毛を使用しています。最大の特徴は、クリームを塗った後にクリームを全体に伸ばしたり皮革に馴染ませたりするときの使い勝手の良さにあります。
M.MOWBRAY ブラシ プロブラシ 703131 の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 1,080円(税込) |
カラー | ブラック・ホワイト |
サイズ | 18.3cm×奥50cm×高40cm |
④最後はスプレーで防水
お手入れの最後は防水スプレーをかけます。水分や油分から靴を守ります。汚れをつきにくくする効果もあるので、のちのお手入れが楽になります。
おすすめの防水スプレー

防水スプレー アメダス
『COLUMBUS(コロンブス)』は1901年創業の老舗メーカーです。靴クリームの商標登録をそのまま社名としています。
こちらの防水スプレーは、靴の柔軟性や通気性を損なうことなく、皮革繊維1本1本にフッ素樹脂をコーティングしてくれる優れものです。布地や人工皮革にもお使い頂けるオールマイティな防水スプレーです。
COLUMBUS 防水スプレー アメダス の詳細 | |
メーカー希望小売価格 | 1,620円(税込) |
内容量 | 180ml |
5.まとめ
今回はスーツに合わせるビジネスシューズの選び方について、ご紹介いたしました。価格は2~3万円くらいのもの、色は黒か焦げ茶を選んでみてください。あまり高価なものよりは、3足を上手に履きまわして、お手入れをしたほうがコスパも良くなります。
また、靴はメンテナンスをするだけで寿命がだいぶ変わってきます。ホコリを取るための馬毛ブラシ、クリームを伸ばすための化繊ブラシ、この2種類のブラシを使い分けることもポイントです。それぞれの特徴を生かして、自分好みの靴に仕上げていってください!