メンズパーカーおすすめ!プロの逸品&選び方と着こなし方
パーカーは、男女問わず人気のある”ワンマイルウェア”です。ワンマイルウェアとは、「1マイル(1.8km)圏内を過ごす服」という意味で、近所のコンビニやスーパーにふらっと買い物に行く時のような、休日にのんびりと過ごす時に着るような服のことをいいます。
パーカーは多くの方が1着くらいはお持ちだと思いますが「部屋着としてしか使っていない…」なんて方も結構いるのではないでしょうか?
実はパーカーは、とても優秀なアイテムです。春先や秋口の肌寒い時期には羽織りものとして使えて、フロントZIPを開け閉めだけで雰囲気を変えることもできます。使いこなせるようになれば、おしゃれ度はグーンっとアップするはずです。
そこで、今回はファッションに関する著書を出版しメディアにも出演している、スタイリストの大山旬さんに、メンズパーカーの選び方やおすすめのブランドについてお聞きしました。この記事を読めば、今までのパーカーでは満足できなくなってしまう、あなたの意識が変わるような、そんな内容になっています。
大山 旬(おおやま しゅん) のプロフィール
人気スタイリスト。日本最大級のファッション学習サイト「メンズファッションスクール」主宰。これまでに著書は5冊出版。累計8万部を突破。読売新聞、朝日新聞、NHK、TBS、テレビ朝日、フジテレビなどメディア出演も多数。
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色はブラックかネイビーを選ぶ
パーカーを選ぶ際には「ブラック」か「ネイビー」を選ぶようにしましょう。濃いめの色を選んだ方が、何かと着回しが利いてコーディネートがしやすくなるでしょう。カジュアル感が非常に強いアイテムなので、間違った組み合わせをしてしまうと、一気に野暮ったくなってしまいます。
特に「グレー」はその傾向が強い色になります。他のどんな色とも相性が良いのですが、パリッと締まらない膨張色なので、休日のくたびれた感が出やすくなってしまうのです。
価格は15,000円以上の上質な素材のものを選ぶ
カジュアルなアイテムこそ、少し背伸びをするくらいの投資をしてみてください。それだけでも、きっと大人っぽくなると思います。
具体的には、15,000円前後かそれ以上のパーカーを選んでください。良質な素材を使っているので、量販店で売っているような安価なものと比べると、デザイン・着心地など、大きな違いを実感できます。
「パーカーに15,000円だなんて!」と思っている、そこのあなた、騙されたと思って(笑)これからおすすめするブランドのものを1度見てみてください。言葉で語らずとも、違いは明らかです。
きれいめなスタイリングに仕上げる
パーカーは、カジュアル度が高いアイテムになります。ですから、他のアイテムとのバランスを取って “きれいめ” に仕上げたほうが素敵に着こなせます。
大人のメンズファッションには、大きく分けて「カジュアルなアイテム」と「フォーマルなアイテム」があります。この2つを上手にミックスして、カジュアルに寄り過ぎないコーディネートをしましょう。
もう少し、具体的に解説していきます。以下の表は、色々なアイテムをカジュアルかフォーマルかに応じて5段階に分類したものです。点数が低いほどカジュアルで、高いほどにフォーマルになります。
点数 | アイテム |
1 | Tシャツ、短パン、ブルージーンズ、スニーカー、サンダル、パーカー |
2 | チノパン、ダウンジャケット、ダウンベスト、半袖シャツ |
3 | ポロシャツ、ローゲージニット(ざっくり編みニット)、ホワイトジーンズ、スエードシューズ |
4 | ハイゲージニット(編み目の細かいニット)、白シャツ、カジュアルな革靴、スラックス |
5 | チェスターコート、レザーシューズ、ジャケット |
コーディネートのバランスを見るときには、全身が平均で3点前後になるようにしましょう。点数が高すぎるとキザな印象になってしまいますし、低すぎれば野暮ったい印象になります。
以下の写真をご覧ください。
上から、ジャケット 5点・ハイゲージニット 4点・白シャツ 4点・ブルージーンズ 1点・カジュアルな革靴 4点となります。合計18点で、平均は3.6点です。これが理想的な点数になります。
全体的なバランスを見る際には、先ほどの表で点数で計算してみてください。
大山旬さんによるメンズパーカーのスタイリング事例
ここからは、メンズパーカーでおすすめの『Sea green(シーグリーン)』を使ったスタイリング事例を見ていきます(ブランドの詳細は後ほどご紹介します)。パーカーの使い方次第で、雰囲気が変わるのが分かります。
大山旬さんにポイントを解説していただきましょう。
事例①|爽やかで品のあるパーカースタイリング
大山旬さんの解説

足元はローファーでも良いですが、ちょっとキザっぽくなりすぎてしまいます。写真のように、スニーカーの方がバランスは保てるでしょう。その分、時計やブレスレット、サングラスなどの小物を上手に使っているので、おしゃれ感がグッと上がります。
まずはシンプルなコーディネートにしてみて、物足りなさを感じたら、小物を足していくとうまくスタイリングできますよ。
※小物にいついての参考記事「おすすめのサングラスブランド|人気スタイリスト厳選コレクション」
事例②|大人のキレイめパーカースタイリング
大山旬さんの解説

こちらのパーカー、素材に凹凸があり、まるでニットのような質感になっているのがわかりますでしょうか?このようにカジュアルなアイテムでも、素材が上質だと「品の良い羽織りもの」として使えます。
このようなものが1枚あると、何かと重宝しますよ。
さらに、こちらのスタイリングは小物がポイントになっています。時計、ブレスレット、ビルケンサンダル、クラッチバックという、適度に大人なアイテムを足しているので、全体として「きれい度」の高いスタイリングにすることができています。
※小物にいついての参考記事「おすすめ腕時計17選|予算別メンズスタイリスト厳選コレクション」
事例③|フロントZIPで雰囲気を変える
大山旬さんの解説

左右の写真を見比べてみてください。同じものを着ていても、大きく印象が変わるのが分かると思います。カジュアルに仕上げたい時は「開ける」、大人っぽく仕上げたい時は「閉める」と雰囲気が出ます。首元までぴったり閉めるのではなく、上下に少し余裕を持たせて開きを作ると、程よいリラックス感を演出することができます。
ちなみに、白デニムに黒やネイビーの締まった色のパーカーは鉄板コーデだと思います。
※小物にいついての参考記事「おすすめジーンズ|人気スタイリストによる大人の男性向け着こなし術」
おすすめのメンズパーカーブランド
それでは、実際に大山旬さんがおすすめするメンズパーカーのブランドをご紹介していきます。
Sea green(シーグリーン)
先ほどのスタイリング事例で、実際に着用しているのが『Sea green(シーグリーン)』の「オニワッフルパーカー」です。こちらのブランドは、2012年にLAと東京を拠点にして誕生しました。カリフォルニアの生活に密接に関わる海辺で、刻々と変化する海の色味の深さや、多様な波の動きからインスピレーションされています。
ブランドコンセプトの通り、どことなく西海岸の雰囲気が漂うものが多く、大きめなネイティブ柄やヴィンテージ加工されたボタンなど、随所にこだわりが見られます。どこまでも広がる美しい海辺で、心地よい風に吹かれているような気分にさせてくれるブランドです。
もちろん、よくあるサーファーっぽいダボっとしたものとは全く違います。ヨーロッパのトレンドも取り入れているため、適度にフィットするサイズ感で「イマドキのこなれ感」が簡単に演出できます。
こちらの「オニワッフルパーカー」は、毎シーズン発表されているシーグリーンの看板商品です。凹凸感がくっきり打ち出されている生地が特徴で、シンプルな中におしゃれを感じられる一枚となっています。
大山旬さんのレビュー

こちらの『Sea green(シーグリーン)』のオニワッフルパーカーは、感度の高いセレクトショップで大いに売れているモデルです。お店に並んでもすぐに売り切れてしまいます。
僕も2枚目持っています。先ほどコーディネート事例でご紹介したように、カジュアルにもきれい目にも着こなせるので、かなり重宝していますよ。
Sea green(シーグリーン)オニワッフルパーカー の詳細 | |
色 | ネイビー、ブラック、オフホワイト、イエロー |
サイズ | S、M、L |
素材 | コットン75%、ポリエステル25% |
メーカー希望小売価格 | 21,600円(税込) |
LOOPWHEELER(ループウィラー)
「世界一、正統なスウェットシャツ」をコンセプトにかかげ、1999年にスタートしたのが『LOOPWHEELER(ループウィラー)』です。最大の特徴は、吊り編み機で編まれた生地の「着心地の良さ」と「丈夫さ」でしょう。
”吊り編み機” とは、1960年半ばまで主流だった編み機で、1時間に1メートルしか生地を編むことができない、超ヴィンテージな機械のことです。アメリカでは、吊り編み機はもう存在しておらず、日本でも和歌山県に約400台あるうちの200台しか稼動していない状況です。
大量生産を主流とする現代では、ほとんどのスウェットが機械でスピーディに編まれています。対して吊り編み機は、生産効率こそ悪いものの「着心地の良さ」では右に出るものはありません。「VANジャケット」で有名なVANのスウェットも、全て吊り編み機の生地を使用していました。
人の手と時間をたっぷりかけて作られた生地は、包み込むようにふわふわとしており、着た人にしか味わえない肌触りが体感できます。
そんな「日本が世界に誇る技術」が詰め込まれたこちらのパーカーは、洗濯を繰り返して3年経っても、ヨレたりゴワついたりしません。たかがスウェットを、されどスウェット!と唸らせてくれる、極上の一枚です。
大山旬さんのレビュー

通販では多く取扱いされていますが、実店舗が非常に少なく、東京に2店舗、大阪、福岡に1店舗ずつとなっています(2018年1月現在)。
肉厚で上品なパーカーなので、実際に1度は着てみていただきたいです。良いお買い物になると思いますよ。ぜひ試してみてください。
LOOPWHEELER LW Light High-neck Hoodie LWライト ハイジップパーカ の詳細 | |
色 | マリン、グレーメランジ |
サイズ | S、M、L、XL |
素材 | 綿100% |
メーカー希望小売価格 | 20,520円(税込) |
まとめ
パーカーは、くたびれた休日着ではなく、おしゃれなファッションアイテムです。この記事をお読みいただいて「パーカー=部屋着」という、これまでの常識は覆ったでしょうか?
カジュアル度の高いアイテムなので、選ぶものを間違えると「部屋着感」が強く出てしまいます。上質な素材で作られた、ブラックかネイビーのような濃いめの色を選びましょう。カジュアルなものだからこそ、チープな印象にならないように、パーカーには少し投資をしてみてください。
この記事でおすすめしたメンズパーカーを着れば、艶っぽい大人の雰囲気を演出することができて、一気にファッショニスタへ近づくことができるでしょう。